「もう疲れた…」発達障害児の親、支援者なら可能性がある「カサンドラ症候群」への対処法①

自閉スペクトラム症(ASD),注意欠如多動症(ADHD)に代表される発達障害の特性などに起因し、
身近な人の心身に不調が出てしまうカサンドラ症候群。子どもを大切に思うからこそ、
様々な困難に疲弊する…。そんな保護者の苦しみから抜け出す方法を、
自閉症スペクトラム支援士でペアレント・トレーニング・トレーナーの冨樫ちはるさんが解説します。
発達障害の親がカサンドラ症候群になる2つの理由
発達障害児の親がカサンドラ症候群に陥る理由は、大きく分けて下記の2つがあります。
【理由①】子どもとの関係が負担になるケース
ASDやADHDの子どもは、さまざまな特性を持っています。
幼児期だけでなく学齢期になっても「普通のこと」「当たり前のこと」が通用せず、
「指示が通らない」「コミュニケーションが一方的」など、意思疎通がうまくいかないことが多いものです。
ASDは言葉の遅れをきっかけに気付かれることが多いのですが、
言葉の遅れのない自閉スペクトラム(アスペルガー症候群)の場合は、
むしろ言葉が早かったり大人の使うような難しい言葉を使ったりします。
しかし、一方的に自分の思いだけを話すばかりで、
相手の言うことを聞いていないことが多く、なかなかスムーズな会話になりません。
知的障害がないにも関わらず静止がきかなかったり、
知恵が回る分だけ大人の想像を超えたいたずらや危険な行動をすることもあります。
ただでさえ忙しい幼児期・児童期に、親は子どもの尻拭いをしたり、
イライラが募ってつい声を荒げて怒ってしまいます。
「育て方が悪い」「ゲームやテレビに子守をさせているのでは?」など、
周囲から批判的なことを言われてしまうと、
この世からすっかり孤立したような気になって、落ち込んでしまいます。
つづく